アメリカ映画「シビル・ウォー/アメリカ最後の日」は、アメリカ19の州が連邦政府を離脱して内戦が起きる話で「面白そうだなあ(フィクションとして)」と思っていました。
ところが、もっと興味を持ったのは台湾ドラマの “零日攻撃-ゼロデイ-“。
僕自身も台湾有事を懸念していますが、やはり戦艦や飛行機、上陸してからの白兵戦をイメージしていました。
しかしこのドラマの中で描かれているのは、台湾人の心理を攻撃するようなのです。

台湾海上が中国により封鎖され、工作員やサイバー攻撃により混乱が起こる。
住民は現金の引き出しに躍起になり、外国人は我先にと避難、刑務所では暴動が起きてテレビ局はハッキングされ敵のプロパガンダを放送するような状態。
島は恐怖と混乱に襲われる・・・。
テレビに出ていた専門家は、兵器を使った直接的な紛争になる前に起こる事として、こうなる方が現実的だと言っていました。
このテレビシリーズはまだ放送されていませんが、YouTubeで17分の予告編が配信されています。
これは台湾の人々に衝撃を与え、100万回以上再生されたそうです。
リンクを貼っておきますね。
でも、野党政治家の一部からは「危機を誇張してパニックを引き起こす」との批判もあったようです。
その批判も分かりますが、それだけドラマの内容がリアルだったんでしょう。
番組プロデューサーでの鄭心媚さんは、台湾の同胞が差し迫った紛争の危機に「あまりにも無感覚」になっていることを懸念してこう語っています。
「率直に言って、誰もが戦争について自分なりの恐怖心や想像力を持っているが、日常生活においては多くの人がそれを避けたり、存在しないかのように振る舞ったりしている」
「しかしこの2年間で危機が大きくなるなか、私たちはそれを真剣に見つめ、このパンドラの箱を開けるべき時が来たと思う」
「もう浸透は始まっています」
監督は10人編成のチームを作ったそうですが、中国からの圧力で監督や俳優の数人が離脱したとも聞きました。
日本とは違いますからね。そういう中でこの作品を作ろうとする気概には頭が下がります。
このドラマは11月末に制作を終了して、来年台湾で放送予定だそうです。
ネットフリックス等のストリーミング事業者とも連絡を取って国際公開を探っているが、まだ初期段階とのこと。
配信されれば是非視聴したいです。
単にフィクションのドラマとしても楽しめるとは思いますが、台湾有事は決して他人事ではありません。
心の一部に留めておく問題だと思っています。
関連記事
コメント