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ほったらかし投資術とプロスペクト理論 -株価が下がるとツライけど-

11月5日に投開票されたアメリカ大統領選は、共和党トランプさんの大勝利。

これを好感して、米国の主要株価指数(ナスダック・S&P500・ダウ30)は大きく上昇して全て史上最高値を更新。

(トランプ氏の公約には、株式市場に追い風のものが多いからだそうです)

円安も進んだので、円ベースの僕の資産も爆上げです。まさに有頂天!

ところが次の週はイマイチで、パウエルさんの「利下げを急ぐ必要はない」発言で急降下!

大統領・上院過半数・下院過半数の三つを全て共和党が獲得するトリプル・レッドにもなりそうだというのに、良い相場は長続きしませんねぇ~。

まさに ”山高ければ谷深し“です。

プロスペクト理論

投資で得をすると嬉しいのですが、同じ額の損をするとそれ以上のダメージを受けます。

これはプロスペクト理論の「価値関数」で言われていて、同じ価値の感じ方なのに人は主観的に判断してしまうということだそうです。

「プロスペクト理論」は、「人は損失を回避する傾向があり、状況によってその判断が変わる」という意思決定に関する理論です。

人は確率的に不確実な状況であっても、「見込み」で期待値を歪めてしまい、客観的な事実だけで合理的な意志決定できなくなるというのです。

プロスペクト理論は行動経済学の理論の一つ。1979年に心理学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって提唱され、行動経済学の基礎を築いたという理由で、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

プロスペクト理論には「損失回避の法則」というのもあり、実験で実証しています。

この実験では、次の2つの選択肢が用意されました。

A:10万円が無条件で手に入る。
B:コインを投げて表なら20万円全手に入るが、裏なら何も受け取れない。

期待値はどちらも10万円で同じですが、この場合ほとんどの人が “A”を選びます。僕もそうです。

でも「あなたに20万円の借金があったら?」という条件を追加すると、大半の人が “B”を選択したそうです。

これが感情に歪みを生じさせるということなんですね。

ほったらかし投資


最近よく聞くようになった “ほったらかし投資”という言葉ですが、おそらく山崎元さんと水瀬ケンイチさんの共同出版の「ほったらかし投資術」という書籍が始まりだと思われます。

インデックス投資の有効性や、始める前段階から細かい方法まで書かれて優しく解説していて「投資本はこれだけ読めばいい」と言われるほどの名著です。

著者のひとり山崎さんは食道がんを告知され闘病していましたが、2024年1月1日、東京都内の自宅で死去されました。YouTubeで見たことはありますが、65歳という若さで残念です。
https://amzn.to/40ORyJV

この本の内容の中に、「インデックスファンドに投資してあとは放置」というのがありまして、コア・サテライト戦略の “コア”の部分では僕も実行しています。

ただ、ちょっと言葉が一人歩きしているような気もしています。

まれに投資をしている人に会うと、「ほったらかし投資を実践しています」とか「毎月積み立てを設定していてあとは見ていません」と言うことがあるのです。

まあそれで大丈夫なんでしょうけどね。

世の中は変わっていくので、さらに勉強する姿勢もあったほうが良いと思うのですよ。

まとめ

投資をしていると、「ああっ・・昨日売っておけば良かった」と思うことが多々あります。

まあ投資信託だとタイムリーに売買できないので、実際に売ることは少ないですけどね。

ただ、何日も続く〇〇ショックが起きた場合は暴落の恐怖に耐えきれず、”ほったらかし”にするつもりでいても売却してしまうかも知れません。

そんな時でもニュースを見たり YouTube等で勉強して、例えばプロスペクト理論を知っておけば「今の自分は感情が歪んでいるな」と思えるかも知れません。

投資を長く続けていると、辛い場面が多くあります。

特に身近に相談する人が少ないこの世界、対策として知識を蓄えていくことは必要だと思います。

・・・と、自分に言い聞かせています。

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